よいワイン=よいブドウ
ワインの原料は100%ブドウです。
つまり、よいブドウが育つところに、よいワインができるのです。
ワインベルト
ワイン用のブドウが育つ条件は、平均気温が10~16℃で、ワインベルトといわれる地域です。
より最適な条件は、気温の低い地域で、昼夜の寒暖差が大きいこと、
日照量が十分確保できることで、そのため、太陽側を向いた斜面が選ばれることが多いようです。
雨量は多くなく、水はけのよい痩せた土地が向いています。
気温の高い土地はブドウの育ちが早く、収穫量が多くなりますが、
低い地域ではゆっくり育ち、収穫時期が遅くなるので十分に熟し、糖度をため込みます。
しかし、その分収穫量は減ります。
温暖な地域で育つブドウは、酸味は弱く、果実味が豊富でまろやかなブドウになり、
寒冷な地域のブドウは、酸味が強い、シャープで切れの良い風味になります。
水はけのよいやせた土壌では、ブドウは地中深く根を張り、ミネラル分をたっぷり吸収しますが、
肥沃な土壌では根は横に広がるので、その分凝縮したブドウになります。
品種によって、その地に適したブドウは異なります。
最近では気候変動の影響のせいか、より高い緯度、より高い場所でよいブドウが育つようになっているといわれています。
赤ワインに使われる主なブドウ品種
赤ワイン用、白ワイン用、赤白どちらも作られる品種がありますが、
世界的に人気があり、多く栽培されている品種や、
最近人気の出てきた日本種のブドウなど、おもな品種を紹介します。
カベルネ ソーヴィニヨン

フランスのボルドー原産で、ボルドー地方を中心に、世界各地で栽培されている人気の赤ワイン用の黒ブドウ品種。
ヨーロッパをはじめ、東欧、南米、オーストラリア、南アフリカと、広く栽培されています。
香り成分やポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれ、芳醇で味が濃く、深い色、香りのワインになります。
ボルドーではブレンドされ、長期熟成するとまろやかさが加わるので、高い人気を集めています。
最近、特に品質、人気ともに注目を集めているアメリカ西海岸では、同じ品種でも、フルーティーさや風味があり、ヨーロッパのワインとは違った風味が楽しめます。
チリでも、単一品種での製造に成功しています。

カベルネ ソーヴィニヨンだけで造られているワイン。

メルロー

ボルドー原産の黒ブドウ種。
まろやかでフルーティ、タンニンが少ないので渋みが少なく、甘い香りがあります。
飲みやすいうえ、栽培しやすいので世界的に人気の品種です。
フランスでの栽培量が一番多品種で、味をまろやかにするためにカベルネ ソーヴィニヨンとブレンドすることも多いそうです。
アメリカのカルフォルニア洲やワシントン州、チリなどでも栽培は盛んです。
日本では、長野県、山梨県、山形県の山間部などで、高品質のワインが造られています。

ピノ ノワール

ブルゴーニュ原産の黒ブドウ種。
冷涼で乾燥した地域を好み、小粒で房も小さく、皮は薄く、病害虫にも弱いので、
栽培が難しいとされていますが、糖度が高く、独特の華やかな香りと、渋みが少なくなめらかな風味があるので、世界中で栽培されています。
気候や土壌などのテロワールによって、個性が大きく変わり、何所で栽培されたかで、風味も違ってきます。
高緯度地方や寒暖差の大きい地域、フランスのブルゴーニュ、シャンパーニュ、アメリカのオレゴンやカルフォルニアの寒冷地、ニュージーランドなどで造られていますが、
チリやオーストラリアでも生産できる地域があります。

高級ワインの代名詞
ロマネ コンティ
フランスのブルゴーニュ地方で造られるピノ ノワール種の最高級ワイン。
生産量が少ないため、希少価値が高まり、世界でも高級ワインの一つ。

1本450万の値が付いた
ピノ ノワール
TV東京の「なんでも鑑定団」で、 アンリ ジャイエのワインに、1本で450万円もの鑑定額がつきました。
「ブルゴーニュの神様」と称えられ、番組では『神の手を持つ』と紹介されています。
管理者のブログにも投稿しています。
アンリ ジャイエ(Henri Jayer)の遺伝子を引き継ぐワイン。
ジャイエ(Henri Jayer)は1988年に引退し、 甥のエマニュエル ルジェに仕事を譲りましたが、体調を崩すまでエマニュエルにワイン作りを教えながら畑に立っていました。
また、後続の指導に熱心で、カミュゼ家のジャン・ニコラ・メオ氏を始め、彼の影響を受けた生産者は数多く、 そのほとんどがブルゴーニュのそれぞれの村の次代の担い手となっています。
エマニュエル・ルジェの息子であるニコラ・ルジェは、
香りを大切に醸造し、濃さとは無縁の繊細でエレガントなワインを造っていきたいと、大叔父や父の後を追っています。
エマニュエル・ルジェの息子ニコラ・ルジェ。香りを大切に醸造し、濃さとは無縁の繊細でエレガントなワイン造りを目指してい
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マスカット ベリーA
濃厚でフルーティな香りを持ち、スムー
ズで軽やかな飲み口の日本独自の品種。
新潟県のブドウ栽培家が、ベリー種とマスカットハンブルグ種を交配させて作ったブドウ。

ネッビオーロ
北イタリア ピエモンテ原産の黒ブドウ種。
イタリアを代表するワイン、バローロ、バルバレコを造る品種で、栽培が難しいので、イタリア以外では、あまり栽培されていません。
酸味、渋みが強く、熟成させると味や香りが深くなります。

テンプラニーリョ
スペイン原産の固有の黒ブドウ種で、伝統的に高品質のワインを作ってきました。
タンニンが多く、酸味も強くなりますが、熟成によって、ポムロールのメルローのようになるものもあります。
スペイン各地で栽培されています。

ガメイ
フランス ブルゴーニュのボジョレーを代表する品種です。
明るい色のブドウで、花のような香り、果汁実のある軽さと渋みが特徴になります。
早飲みタイプのワインが多く、フルーティでさわやかな飲み口で、ボジョレー ヌーボーが有名です。

ジンファンデル
カルフォルニアを代表する品種。イタリアなどでも栽培されています。
親しみやすいタイプのワインが多くありますが、濃厚な味わいで、ロゼ仕立てなど、様々なタイプのワインも造られています。

マルベック
フランスボルドー原産の黒ブドウ種ですが、フランスでは南西部のカオール地区で多く栽培されています。ほかに、南米のアルゼンチンでも栽培されていますが、南北で特徴が大きく異なります。
フランスでは濃厚で、「黒いワイン」の別称もあります。
アルゼンチンではフルーティで果実味のあるスパイシーなワインになります。

ピノタージュ
ピノ ノワールとサンソーを掛け合わせた南アフリカ独自の品種。濃厚で酸味もしっかりしているが、スムーズな口当たり。

同じ品種でも、栽培される国によっても風味が異なってきます。
あくまでも目安ですが、その違いを知っておくことは、ワイン選びのお役に立ちます。

ワイン プチトリビア2
ロマネ コンティの名前の由来
「ロマネ コンティ」は、ブルゴーニュ地方のヴォーヌ ロマネ村にある特級格付けされた畑の名前で、そこで採れたブドウで造るワインにも同じ名前がついています。
「ロマネ」はこの畑を作った古代ローマ人に、「コンティ」は1760年にこの畑を所有したコンティ侯爵から来ています。
白ワインに使われる主なブドウ品種
白ワイン用の主なブドウの品種は、
こちら。