麹(こうじ)/ 日本にしかいない不思議な菌

日本酒造りは、《一・麹、二・酛(酒母)、三・造り》と言われます。
《一・麹(こうじ)》と最初に麹があるのは、” 初めに麹ありき ” と言われるほど、重要だからです。
ワインやビールなどは、果物や穀物などの糖を酵母菌がアルコール発酵してできるのですが、
日本酒の場合、これだけでは清酒ができません。
お米のデンプンは大きすぎて、清酒酵母がアルコール発酵できないのです。
そのため、お米のデンプンを小さくして、清酒酵母でも発酵できるようにしてやらなければなりません。
この働きをするのか、麹菌です。
◎麹菌は、糖化酵素を作り、お米のデンプンを糖に分解します。
麹菌はアミラーゼという糖化酵素を作ります。
これがデンプンを小さくしてくれるのですが、小さくなったブドウ糖を酵母が食べることで、発酵が始まります。
アミラーゼは人の唾液の中にもあり、ご飯を噛んでいるとだんだん甘くなってきますが、それはアミラーゼの働きによるものです。
昔の人はこのことを知っていて、お米を噛んでお酒を造っていました。(口噛み酒)
日本酒は、麹菌と酵母の2つの微生物が、糖化と発酵を同時に行うという複雑な工程でできるお酒です。
これを「並行複発酵」といい、日本だけのもので、ワインなどのように酵母だけで発酵させる方法は、「単発酵」と呼ばれています。

麹菌は日本にしか存在しない菌で、 2006年、国菌(こっきん)と認定されました。
製麹(せいぎく)

麹を造ることを製麹といいますが、まず「種切り」という、杜氏が蒸米に粉のようなものを振りかけることから始まります。
振りかけているものは麹菌の種で、「もやし」とも言われます。
麹が生えている様子が、「もやし」に似ていることから呼ばれるようになったといわれています。
種麹(たねこうじ)にも何種類かありますが、蔵元は種麹屋(もやし屋ともいいます)から自分たちが造りたい酒に合った種麹を買い、麹室(こうじむろ)で、自分たちのやり方で麹菌を繁殖させ、米麹(こめこうじ)を造ります。
麹と麹菌は違う
麹は、蒸米の上でカビ菌の一種である麹菌が繁殖した状態をいいます。
菌だけを扱うのが種麹屋で、菌から日本酒を造るための麹を造るのが蔵元です。
したがって、酒米も水も同じものであっても、蔵元ごとに違った清酒が造り出されているのです。
米麹菌のことを学名でいうと、アスペルギルス・オリゼです。
オリゼの素になる麹菌は、日本にしか存在しません。それどころか、自然界にも存在していませんでした。
それを、どうやって創りだしたのか。
詳しくは、こちらをご覧ください。
⇒『
アスペルギルス・オリゼ、新しい星の名前、ではなくて米麹のこと その2 』
⇒『
アスペルギルス・オリゼ、新しい星の名前、ではなくて米麹のこと その7 』

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麹菌の種類
麹菌は3種類あります。
- ☆黄麹菌
デンプンの分解力が強く、清酒・味噌・醤油などに使われます。
- ☆黒麹菌
黄麹菌と比べるとデンプンの分解力は弱く、タンパク質の分解力が強くなります。 クエン酸を沢山つくます。
- ☆白麹菌
性質は黒麹菌と同じですが、色は白です。

日本酒には黄麹菌を使います。
クエン酸を造る能力の高い黒麹菌と白麹菌は、焼酎や泡盛造りに利用されます。
ただ最近では黒麹や白麹を使った清酒も作られています。
酸の多い日本酒は味が重くなると使われなかったのですが、焼酎用の麹を使うとレモンのようなさわやかさが出ます。
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黄麹菌を使った日本酒
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黒麹菌を使った日本酒
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白麹菌を使った日本酒
麹室(こうじむろ)・種(たね)きり

日本酒を作る工程で、時々TVで見ることがあるかもしれませんが、テーブルに35,6度ある蒸しあがった米を数人がかりでバラバラになるように広げていくます。
場所は麹室で、高温多湿に保たてれています。
蒸したお米ですから、作業をしている人たちはすぐに汗だくになります。
頃合いを見て、まんべんなく米麹を振りかけ、全体に馴染ませながら混ぜていきます。
これを種きりといい、麹菌を増殖させるために行うそうです。
種切りが終わったら、布をかけて保管しますが、この間も、温度管理に注意を払ったり、気が抜けない作業が続きます。
作業が終わったら、栗を焼いたようないい香りがしてくるのを待ちます。
香りがし始めて一呼吸置いたら、麹室から出して、冷まします。
これで製麹(せいぎく)作業は終わりますが、酛(もと)用の麹(酛麹)と、醪(もろみ)用の麹(掛麹)の2種類作ります。
製麹作業に必要な時間は、酛麹で約50時間前後、掛麹で45時間くらいかかるそうです。

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