米(米麹も含む)と水だけで造られるものを純米酒といいます。
米のうま味が純粋に味わえるタイプです。以前は重いというイメージがあったようですが、今は軽やかで、どんな料理にも合うと人気があるそうです。
ラベルには、原料:米、米麹、とだけ記載されています。
ラベルには、米、米麹、醸造アルコールとあり、使用する白米の重さの10%以下の醸造用アルコールを加えて作ります。
醸造用アルコールは主にサトウキビから造りますが、米や麦、トウモロコシから造るものもあるそうです。
昔からあった製法ではなく、戦前、戦時下での米不足から清酒の生産ができなかった頃、別にアルコールを造って量を嵩(かさ)増ししたのですが、それをアル添酒といってました。
粗悪な酒で、日本酒離れの原因の一つといわれています。
しかし現在では製造法も改良され、醸造用アルコ-ルを加えることを前提とした酒造りがなされているので、
淡麗で、すーっと喉を通り過ぎていくような飲みやすい吟醸酒が造られています。
ソムリエの方は、吟醸酒は爽快さやフルーティーさのお酒に分類されるといっています。
したがって、蕎麦などのような香りを楽しむ食べ物に合うということです。
また、蔵元によっては、大吟醸をあえて3年貯蔵して出荷するところもあります。
3年貯蔵した方が、香りと味がのって、おいしくなるからだそうです。
生酛造りは、現在行われている清酒造りでは、最も伝統的なものといえます。
自然に空中などにいる乳酸菌を利用し、蔵元の純粋な麹菌を育てるのに向いています。
酸の効いた複雑な風味で、冷よりはお燗に向いているといわれます。
山廃は、生酛造りの一工程である「山おろし」を省いた製法です。
しかし、専門家に言わせると、省かれた一工程を足せば、山廃が生酛になるといった単純なものではなく、
まったく別のものと考えた方がいいということです。
うま味や酸味などの様々なものがその味わいのもとになっています。
お燗にするとバランスがよくなり、冷よりはお燗がおすすめで、ローストや燻製に合うそうです。
生酛が繊細なら、山廃はワイルド。
旨味と酸味とのバランスが素晴らしく通が好むやや辛口タイプの純米酒 |
気温が低いので熟成速度が遅くなります。全体的に軽やかですっきりした淡白な飲み口が多いようです。
うま味が強いですが、雑味の少ないバランスのいいタイプが多いようです。
淡麗辛口が多い地域です。
日本海側では魚介料理に合った飲み口のいいタイプが多く、内陸側はフルーティーでみずみずしい香りの清酒が多いようです。
個性的な清酒が多かったそうですが、やや甘口系のすっきり飲みやすいタイプが多いようです。
出汁の文化圏なので、香りには雑味があり、複雑な、うま味のしっかりしたお酒が多いようです。
焼酎文化が強く、酒豪自慢の郷土(くに)が多い地域なので、飲みやすい辛口が多く、うま味やコクがしっかりしたタイプが多いようです。
仕込んだ醪(もろみ)を搾ってできる最初の新酒。日本酒の場合、出来立てはまだあらあらしさが残っています。
蔵元によっては日本酒ヌーボーが味わえ所もありますが、前年の新酒を残しておいて、ブレンドし、荒々しさを和らげて出荷する蔵元が多いようです。
発酵が完了する前に、醪(もろみ)を搾るとき、目の粗い布などで漉すと、米の粒子などが残り、白濁します。
甘味があり、濃厚でうま味の柔らかいお酒になります。
生酒をビン詰めするので、発泡性や、微発泡のものも多くあり、日持ちするように火入れしてあるものもあります。
新米で仕込んだ清酒を、熟成を経ないでそのまま出荷されるもので、芳醇な香りでフレッシュな透明感があります。
搾った後火入れをしないで生酒を貯蔵し、ビン詰めの時1回だけ火入れをした清酒。フレッシュさが残り、初夏に最適です。
春先に搾った新酒に1回火入れをし、夏の間熟成させ、秋口に出荷するお酒のこと。
ラベルなどに淡麗辛口とうたってあるお酒がありますが、それぞれ次のようになります。
これらを組み合わせると、4タイプになります。
味覚は人によって違いますから、あくまで目安です。
火入れをしないか、1度だけするが、いつするかによって、3つのタイプに分かれます。
「生」がつくと、生ビールのイメージが強いのか、ピュアなお酒というイメージになりますが、火入れや熟成などをして日本酒として仕上げるので、それをしていない生酒には、フレッシュ感はあっても、本来の日本酒とはやや違った趣の味わいになります。
しかし、それはそれでまた、日本酒の楽しみの一つになります。
搾ったままの状態で瓶詰めされた清酒が原酒です。
醸造方法から、できた日本酒は、アルコール度数が20度近くと高くなります。
そこで、割水などで調整してから出荷します。これを行わない未調整のままのものが原酒です。
度数が12~13℃の原酒もあるそうなのですが、これは醪(もろみ)の段階で水を多く加えて作った意図的なものだそうです。
なお、普通酒、純米酒、本醸造酒、吟醸酒それぞれに原酒があります。
搾ったばかりのお酒には澱(おり)といわれる細かい固形物が混じっています。
これを取りのぞくために行うのがろ過です。
活性炭とフィルターでろ過しますが、雑味を除き、色や香りのバランスを整えます。
このろ過をしないままのお酒が無ろ過酒です。
お酒の持つ風味そのままの、トロリとした、濃醇濃厚な味わいです。
日本酒の比重を表しあた数字で、実zの比重を±0とし、重いものはマイナス表示、軽いものはプラス表示されます。
マイナス値が大きいほど糖分やエキス分が多くなるので、一般的には甘口と思われていますが、多くの人が日本酒度で甘辛の判断をしない方がいいといいています。
日本酒度は、製造する側にとって大切な数字だということです。
日本酒の有機酸成分の数値で、乳酸と琥珀さんが主なものです。
平均値は1.3で、酸度が高いほど辛く濃く感じ、低いほど甘く淡く感じます。
日本酒に含まれるアミノ酸の量で、多いほど複雑な味わいが増し、濃醇なうま味が感じれます。少ないと、端麗ですっきりした味わいになります。
これらは人の感覚を数値にしたものであって、それぞれに個人差がありますから、日本酒の記事一覧
※参考文献
學燈社、「食の文化誌」
講談社学術文庫、吉田元、「日本の食と酒」
講談社現代新書、井波律子、「酒池肉林」
角川文庫、三井銀行ことばの豆辞典編集室編、「ことばの豆辞典」
新潮文庫、杉浦日向子、「大江戸美味草紙」
角川文庫、和歌森太郎監修、牧田茂、斎藤知克編、「生活むかしむかし」
河出文庫、和歌森太郎、「酒が語る日本史」
サンマーク文庫、上杉孝久、「日本史がおもしろくなる日本酒の話」
講談社現代新書、小泉武夫、「酒の話」
毎日新聞社、「話のネタ」
サイエンス・アイ新書、酒類総合研究所「うまい酒の科学」
講談社、「世界の名酒事典」編集部編「飲めば天国」
講談社、「世界の名酒辞典」
ナツメ社、武者英三監修「日本酒事典」
枻(えい)出版、「日本酒」
ちくま新書、山同敦子「めざせ!日本酒の達人」
講談社、山同敦子「日本酒ドラマッチク」
技術評論社大人の自由時間、「うまい日本酒を知る、選ぶ、もっと楽しむ」
光文社知恵の森文庫、上原浩「純米酒を極める」
光文社知恵の森文庫、古川修「世界一旨い日本酒」
日経プレミアシリーズ、北原康行「日本酒テイスティング」
三一書房、蝶谷初男「日本酒がわかる本」
成美堂出版、山同敦子「本格焼酎の辞典」
光文社新書、田崎真也「本格焼酎を愉しむ」
金羊社、「焼酎楽園」
岩波アクティブ新書 49、富永麻子「泡盛はおいしい」
西日本出版社、鯨本あつ子・石原みどり「あまみの甘み あまみの香り」
小学館文庫、瀬川慧「粋に愉しむ焼酎NOW」
枻(えい)出版、「ウィスキーの基本」
新潮選書、土屋守「ウィスキー通」
新潮社、輿水精一「ウィスキーは日本の酒である」
小学館、サライ2017、12月号「ウィスキー基本のき」
講談社+α新書、堀賢一、土屋守、福西英三著、「ワインと洋酒を深く識る酒のコトバ171」
ナツメ社、井出勝茂監修、「最新版 ワイン 完全バイブル」
永岡書店、的場恵子「ベスト・ワインストーリー」
成美堂出版、木村克己監修「ワインの大事典」
ちくま文庫、山下範久「教養としてのワインの世界史」
新星出版社、木村克己「ワインの教科書」
朝日新書、奥山久美子「極上ワイン100本」
新星出版社、「カクテル&スピリッツの教科書」
枻(えい)出版、「ビールの基本」
株式会社マイナビ、「ビールの図鑑」
宝島社、「ビールの教科書」
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