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甘くておいしい食べるブドウと、ワインになるブドウは同じもの?
日本の甲州やオーストラリアのサルタナなどのように、普通に食べているブドウをワインにしたものもありますが、
高級なワイン作りには向かないそうです。
ワインに大切な香味成分は皮のところに多く含まれていて、食べるブドウは皮が薄いので、
香り高いワインができないからです。
白ワインを作るマスカットも、食べている生食用のものからテーブルワインはできますが、
高品質なワインを造るときは、粒の小さい専用の品種を使うそうです。
*微生物である酵母は、35億年前から地球上に存在していたと考えられています。
ウィキペディアによると、 バイタリティの語源は、ブドウでした。
元気で、疲れ知らずに活動する人のことを、バイタリティ(vitarity)にあふれた人と言ったりします。
活力のもとはヴァタミン(vitamin)ですが、
その語源が、ラテン語のブドウとブドウから造った酒を意味する言葉にあります。
ラテン語でブドウはヴィティス(vitis)、ブドウから造った酒をヴィヌム(vinum)といいます。
これが英語のワイン(wine)、フランス語ではヴァン(vin)、ドイツ語がヴァイン(wein)、イタリア語、
スペイン語になるとヴィーノ(vino)、ポルトガル語ではヴィーニョ(vihno)になりました。
ビタミンのアミンは、ビタミンが発見されたときの物質がアンモニアからできる化合物で、ワインや生命ににつながる言葉、” Vie ” とつけて、ビタミンとされました。
日本人がワインを知ったのは、フランシスコ・ザビエルによってとされ、
周防の領主大内義隆に献上されたのが最初と伝えられています。
キリスト教にとって赤ワインはキリストの血とされていますから、儀式には欠かせません。
ザビエルも当然持ってきていたでしょうから、それを日本の大名たちに布教のために贈ったと考えられています。
ということは、織田信長も豊臣秀吉も飲んでいたに違いありません。
当時は赤ワインは珍陀(ちんた)酒といわれていたそうです。
チンタはポルトガル語で赤を意味し、「珍陀」を当てたものです。
『徳川実記』寛文8年の記事の貢物の中に「沈多酒(ちんだしゅ)」の文字があるので、江戸城内にワインが貯蔵されていたことになります。
ただこれが南蛮渡来のものか日本で作られたものかははっきりしていないそうです。
この時代、日本でも葡萄酒作りがなされていて、『本朝食鑑』という本にその製法が記されているそうです。
ただし、そこに記されている方法ではワインと呼べるものはできず、
簡単にいうと、梅酒の梅の代りにブドウを入れるといったものだったようです。
明治に入ると、赤玉ポートワインが店頭に並ぶようになりました。
ワインではなく、着色甘味料入りアルコール飲料ですが、 戦後もしばらく売られていて、シニアの方で覚えている人も多いはずです。
しかしこれは日本だけの話で、ポートワインは、三大酒精強化ワインの一つといわれるブランドワインです。
ポルトガルのポートワインは三大酒精強化ワインの一つといわれ、他はスペインのシェリー、ポルトガルのマディラです。
ポートは生産地の名前ではなく、港の名称です。
ポートワインが今のように有名になるのには、当時の国際情勢、フランスとイギリスの戦争が関係していました。
(残念なことですが、いつの時代も、戦争には文明の発展を促す効果があります。)
17世紀末ごろから英仏間の植民地覇権抗争が激しくなり、イギリスは対仏禁輸措置を取りました。
ところがイギリスはフランスのボルドーから多くのワインを輸入していましたから、
あっという間に供給量が不足してしまいました。
そこで代わりにポルトガルのポート港からワインを輸入したのです。
取引量が増えるにつけて、品質もどんどん向上し、やがて風味を増し、品質を安定させるためにブランデーを混ぜるようになりました。
当時は、ワインを保存しておくと、技術的に確立していないこともあって、酢になってしまうものも多かったようなのです。
ブランデーやアルコールを加え度数を上げることで、酒質が安定し、風味も増すので、その風習が定着し始めました。
品質が良くなることで有名になると、偽造品が出回るようになりました。
あまりのひどさに、ついに時の宰相がポートワインのブランドを守るために動き出しました。
ブドウの栽培地や栽培方法、醸造方法を定め、規制したのです。
ポートワインが三大酒精強化ワインの一つといわれるようになったのには、こういう歴史的背景がありました。
*酒精強化ワインについては「ウィスキー」の項で紹介します。
ワインの瓶が上げ底になっているのは、どうして?
瓶の形はいろいろあっても、どの瓶も底は凹になっています。
ワインは、倉庫に貯蔵します。
長く熟成されておいしくなるのですが、その間にタンニンや酒石もできます。
底が平らだと、グラスに注ぐときにこれらの澱(オリ)のようなものが混じりやすくなりますが、
上げ底になっていると、くぼみに沈殿していて外へ流れ出にくくなります。
見た目にもよくなるし、雑味が混じるのも防げます。
昔の人は、少しでもおいしいワインを飲むために、ちゃんと創意工夫を凝らしていたわけです。
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